「他者と働く」
手に取った理由:
- 全員がいがみ合っている環境に辟易し、その原因がわからなかった時に出会った本。
読了後の課題に対する解決策、考え方等
- 既存の方法で解決できる問題は技術的問題、既存の方法で一方的に解決ができない複雑で困難な問題を適応課題と定義する。適応課題の解決策は新しい人間関係を構築する「対話」である。
- お互いがわかり合えていないことを認めることこそが対話にとって不可欠であり、その一歩目として、相手を変えようとするのではなく、こちら側が少し変わる必要がある。ナラティブアプローチのポイントは相手の物語(価値観や世界観、解釈の枠組み)の硬直性を変えようとするのではなく、こちら側がいかに硬直した物語で相手を見ているのか、認識し、こちら側の物語を変えることが、より良い関係を築く土台となる。
- 言い難い経験や物事を表現する際に、慣れ親しんだ概念と結び付けて語ることによって、私たちはその経験や物事を理解可能なレベルの抽象度に落として理解することができる。(メタファー(隠喩))
感想
人間関係は、おそらく誰もが一度は経験したことのある悩みだと思う。「他人は変えられないから自分が変わるべき」とか「負けるが勝ち」みたいな言葉を聞いて育ってきたけれど、本書を読むまでは、言葉ではわかっていても、自我が邪魔をしてそれができなかった。この言葉ではわかっていても実践できないもどかしさを、さらに深い思考に連れて行ってくれることで解決してくれた良書。
2019年11月28日 19:58
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